第68回IOT研究発表会@奄美大島への参加記
冬の寒さも去り、奄美大島では南国を感じさせる心地よい風が吹く季節となりました。
3月3日〜5日、第68回IOT研究発表会が鹿児島県は奄美大島にて開催されました。
サイバーセキュリティ研究室からは、D1 木村悠生さん、M2 菅原颯真くんが研究発表として、私 M2 星名藍乃介(ran350)が共著者として参加しました。
いもーれ奄美!
関西国際空港から奄美空港へは2〜3時間のフライトで到着します。
空港付近のいたるところに見られる「いもーれ」は、奄美の方言で「いらっしゃい」の意味とのことで、歓迎されながら島に着きました。

名瀬町への道のり
IOT研究発表会の会場は、奄美空港から車で1時間弱かかほどの距離にある名瀬町という市街地にあります。
名瀬町への道中では奄美パークや明神崎展望台といった観光スポットに立ち寄れます。
展望台からは奄美の海を一望することができ、奄美の特徴的な海岸地形、礁地(イノー)と呼ばれるサンゴ礁に囲まれた浅い海も眺望できます。
礁地ではウミガメや熱帯魚が生息しており、豊かな自然が広がっています。

郷土料理
研究会発表、、の前に奄美大島でいただいた郷土料理をご紹介します。
豆腐料理 @島とうふ屋
まずは 島とうふ屋 という豆腐屋さん。
湯葉春巻きや豆腐ハンバーグ、湯葉団子など豆腐料理をいただける定食屋さんです。
お土産コーナーには、湯葉、豆腐プリン、豆腐ドーナツなどが置いてあります。
この豆腐ドーナツが衝撃的な美味さだったので、お立寄りの際にはぜひお召し上がりください。


研究会の昼食休憩で、弊研で大変お世話になっている大阪大学の猪俣先生にご馳走になりました。
SecHack365で参加していた学生さんと一緒にいただきました。
鶏飯 @ひさ倉
奄美大島といえば鶏飯ということで、ひさ倉 でいただきました。お昼ご飯でいただきましたが、呑み後のシメにも良さそうでした。

海鮮 @呑みんちゅ
奄美で食べた料理で最もうまかったのは、呑みんちゅ という海鮮居酒屋さんの「もづくの天ぷら」(写真左)でした。奄美初日に食べて感動しすぎて、研究会の懇親会の2次会でもここをお勧めして先生方と再入店しましたw まじでオススメです


研究発表
D1木村:同一運用元によるOnionサイトの類型化と運用モチベーションの推定
木村さんは博士課程にて、サイバー犯罪対策への活用を目的として、別のサイトであるが運用元が同一のOnionサイトを特定する手法について研究しています。
前回のIOT研究会@宮古島では、Onion Domainを大量に収集し分析することで、同一運用元を推定できる可能性について発表しました。
今回は前回の研究をさらに発展させた内容について発表いただきました。具体的には、前回の収集結果を分析することで、ではなぜサイト運用者が一つの運用元で複数のOnionサイトを運用するかというモチベーションについて推定した、とのことでした。
前回のIOT研究会での発表を発展させてきましたというストーリーも素敵でしたし、個人的には分析結果の部分がとてもおもしろくて、今回はダークウェブでもいわゆるステルスマーケティング(のようなマーケティング戦略)が行われている実態がわかって、興味深く見ていました。今後の研究もとても楽しみにしています!
- 前回のIOT研究会:Onion Domainの大規模収集とHTTPレスポンスの傾向分析:木村悠生、穐山空道、猪俣敦夫、上原哲太郎
- 今回の発表:同一運用元によるOnionサイトの類型化と運用モチベーションの推定:木村悠生、石川琉聖、穐山空道、猪俣敦夫、上原哲太郎

また、最終日の表彰式では、木村さんの発表に対し、IOT研究会から最も優れた発表であるとして優秀学生賞が贈られました!おめでとうございます 🎉
実は、この受賞によりサイバーセキュリティ研究室は IOT研究会発表会での優秀学生賞を、一昨年から3年連続受賞していることになりました。。。優秀すぎる。。

M2菅原:タイプミス傾向の分析に基づくタイポスクワッティングドメイン生成モデルの提案
最後に、菅原くんの発表について簡単に紹介します。メール送信者がメールアドレスを入力する際に @gmeil.com のように打ち間違えることを、あらかじめ攻撃者が見越して gmeil.com ドメインを取得しておき、情報を抜き取るという攻撃をタイポスクワッティングといいます。企業などはこの攻撃の対策の一つとして、あらかじめ gmeil.com を取得しておくという対策を取ることができ、防御的登録と呼ばれています。しかし、間違いうるすべてのドメインを取得するのは費用面で現実的ではありません。そこで、本研究では、人間の打ち間違いやすさを実験、分析することで、優先的に防御的登録すべきドメインを生成する手法を提案します。という研究です。私も共著なので詳しく書き過ぎてしまいましたがそんな感じです。
この研究の特に面白いところは実験結果の分析部分だと思っていて、今回日本企業のドメインを対象にしたんですが、ohsho.co.jp(王将)から osho.co.jp のように打ち間違えてしまうなど、日本語特有の傾向がたくさん見つかりました。気になった方はぜひ論文をご参照ください!

また、表彰式では菅原くんの発表に対し、IOT研究会から学生奨励賞が贈られました!おめでとうございます 🎉

おわりに
奄美大島の大自然や美味しい郷土料理を堪能しつつ、研究会や懇親会ではいろいろな方々と交流できた日になりました。
そして、木村さん、菅原くん、受賞おめでとうございます!研究発表お疲れ様でした!