DICOMO2023 ナイトテクニカルセッション参加記録 〜サイバーフィジカル時代の物理認証システムの信頼性検証〜

こんにちは!熱海から続いてシンポジウムのはしごのYukimuraです。
今回は、DICOMO2023のナイトテクニカルセッションで発表∧受賞したので、内容などを紹介します。(通常の研究発表もしました。念のため。)

ちなみにタイトルは堅苦しいですが、内容は「印影を偽造した、参加者に真贋判定をしてもらおう!」という内容のものです。

本記事は、シリーズDICOMO2023参加記録の構成記事です。

ナイトテクニカルセッション #とは

ナイトテクニカルセッション 発表は1件10分以内(中略)、研究室・大学紹介、取り組みやプロジェクト紹介、お蔵入りネタ、テーマ提案、一発芸など、参加者の皆さんに興味をもって聞いていただける楽しい発表

発表募集メールより引用

いわゆるLTのようなものだと私は理解しており、実際に会期中私は「LT会」と呼んでいました。

似たようなものをCSSに参加したときに「CSSx2.0」として見ていて、あーあの面白いやつね、という認識でした。
(ちなみにCSSx2.0では、2019年に上原先生が”テツ太郎”として「PPAPを何とかしたいのだがPHSも何とかしたい」の題目で発表しています)

募集がかかった時点では、登壇予定がなかったので、参加者として楽しみだなあという感じでした。

参加決定

そんなわけで、参加者として楽しみにしながら家でゴロゴロしていたわけですが、そんな私の元に、DICOMO開催の前日、後輩から1件の通知が入りました。

なんやて、ええけど

DICOMOは翌日の5日から開催、ナイトテクニカルセッションは翌々日の6日19時35分から開始なので、発表まで残り54時間ほどしかありません。しかも後輩から追撃。

そうだった…私、笑いのセンスが無いんです…
他の参加者は念入りに作り込み、面白ポイントやギャグを入れ込んで来るであろうに、私に残された時間はあと54時間。そのうち睡眠や移動で20時間くらいは使いますし、翌日からはDICOMOに参加するため、LT資料作成どころではありません。そもそも笑いのセンスが無いので、他の人よりスタートラインが手前なのに…
斯様にして、シンポジウム前日の昼下がり、15分の本発表に加えて10分のLTも追加で行うことになりました。

準備

準備期間が2日間しか無いとは言っても、はんこの真贋判定ならそもそもDICOMOで研究発表する予定のものなので、資料は揃っています。

4日は身支度とかでやる気が出なかったので、前日(5日)の夜泣きながら(泣いてない)、ホテルで資料を作りました。

偽造印影の真贋判定をしてもらおう、できるだけ皆さんが見分けられない出来の良いものを選ぼう、上位の人に話を聞いたら面白いんじゃないか、点数分布なんかも出したい、せっかくならウケそうな小ネタも突っ込もう…

そんなことを考えながら、富山の夜は更けていったのでした…

ちなみに後輩たちは、手伝いますよ!と言ってくれていたのに、私が準備をしている横で大富豪(大貧民)をしていました。かなしい。(私が後輩に作業を振らなかったのが悪いという説もあります)

発表当日

迎えたナイトセッション当日、DICOMO二日目です。

この日は自分の研究発表の日でもあったのですが、どっちに対して緊張していたかといえば圧倒的にナイトセッションです。
会場がウケなければいけないナイトセッションと、事実や考察を淡々と発表する研究報告、どちらがハードルが高いかと言われれば一目瞭然ですよね。

研究発表の方は別記事で紹介しているので、そちらも是非ご覧になってください。

ナイトセッション会場に行ってみるとあらびっくり、砂原先生がピンクのハッピを着ているじゃありませんか!面白!!
面白いのは参加者としては良かったのですが、私の登壇者としての緊張感はMAXでした。自分の発表は、ピンクのハッピの人が司会回しをする面白さに勝てるLTじゃないぞ!!と汗が滝のように出たのを覚えています。

そして発表、「”サイバーフィジカル時代の物理認証システムの信頼性検証”というタイトルで発表します」と始めました。もうどうにでもなれ!!

そしてスライド二枚目、最初にして最後、最大のウケ狙いポイントがここ!

私「まさに完璧で究極な認証!!そうはんこですね!!!」
みなさん「wwwwww」

…というのを期待していたのですが不発!!!いまいちウケませんでした!(笑って頂いた方もいました、うれしい。)

ウケ狙いがウケなかったので、ここから先の記憶は怪しいです。
実際に、真贋判定してもらった印影の一例はこちら。

左側が本物で、右側の真贋が不明という設定です。
どうですか?見分けられますでしょうか?

正解は、右側の印影は偽物です。
こんなような問題を、16問、会場の皆さんに回答してもらいました。
改めて、この場を借りてご協力頂いた皆様に感謝申し上げます。

正答率一位だった方に見分けられたコツを伺うと一言、「色が若干違った」と。そこかーーーーーーーーー。
この場面が一番ウケました。本当は印影の形で見分けてほしかったんです…

終了後、客席に座っていた後輩からは「小ウケは繰り返してました」と慰めてもらったのですが、あまりのウケなさに本当に涙が出そうでした。
一方、他の大学の先生方・学生の方からもお褒めの言葉を頂き、ホテルでも「あぁ、はんこの発表!面白かったよ!〇〇問しか正解できなくてw」と声をかけていただいたのはすごく嬉しかったです。楽しく取り組んで頂けたなら発表者冥利に尽きます。

実験結果

LT自体が大規模な実験だったので、実験の概要と結果を報告します。

実験概要

参加人数:158名
実験内容:偽造印影の真贋判定実験
出題問数:16問(うち偽造印影8問、真正印影8問)

論文で書いた実験では被験者数20名だったので、人数比で約8倍の方にご協力いただくことができました。

実験結果

最高正答数:14/16問
最低正答数:3/16問
平均正当数:8.35/16問
中央値  :8/16問

見てくださいこのきれいな正答率分布!!ほぼ正規分布の形をしています。
このことから、みなさんほぼ当て勘程度でしかわかっていない事がよくわかります。偽造は大成功です。

また印影の画数と正答率の相関もあることが示されており、相関係数0.44で、画数が少ない印影ほど見分けにくい傾向があることが示されています。

これにて、はんこの偽造が如何に容易で効果的か、普通の人が偽造を見分けられないようなものが本人確認手段として用いられている、ということが伝わるかと思います。
発表はあんまりウケなくて微妙だった気がするけど、すごく良いデータが取れたので満足!!と思ってました。発表時は。

表彰

最終日は表彰がありました。

表彰では、弊研から発表した全員(星名・後藤・木村)が何らかの賞を受賞していました。(このことは別記事にも書いてあります)
この場を借りて、ご評価いただいた方々に御礼申し上げます。

この場でナイトテクニカルセッションも表彰があったのですが、なんと3位の栄誉を頂きました!嬉しい!(公式HPの受賞者写真を見たら私が目を瞑っている!なんとタイミングの悪い瞬きでしょう!)
強豪揃いのナイトテクニカルセッションだったので、まさかとは思いましたが、非常に嬉しかったです。頑張って良かったな〜と。

記念品?で富山のお菓子をたくさんもらいました。

おわりに

以上、ナイトテクニカルセッションの報告でした。

ナイトテクニカルセッションの発表や我々の研究、また本記事を通して、印影による認証の脆弱性の認識が、少しでも広まれば良いなと思っています。

また良いネタがあれば、どこかのLT会でお会いしましょう….

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