CSS2025 参加記録 〜ポスター発表編〜
ブログに何を書こうか悩んでいたら、なぜか絵を描き始めました。B4のwadaです。
だいぶ遅くなりましたが、2025年10月27日から31日にかけて、岡山コンベンションセンターで開催された、コンピュータセキュリティシンポジウム2025(CSS 2025)の参加記録を綴ります。
私は、デモンストレーションセッション(いわゆる、ポスター発表)を行ってきたので、その時の様子などを紹介していきます。
(イラストで行数を稼いでいるのはご愛嬌ということで、お許しいただけると幸いです。)
CSSとは
「CSSとは」という項目について、菅原さんのCSS参加記に詳しく書いてあるのでそちらをご覧ください。
デモンストレーションセッションとは
まずデモンストレーションセッションが何かと言うと、
ポスターを使って研究内容を説明する「ポスター発表」の形式をとりつつ、PCやタブレットなどを用いた実演(デモンストレーション)を加えることができるセッションです。
CSS 2025は全5日間の日程で開催され、ポスター発表は最初の2日間にわたり、各日1時間ずつ実施されました。
発表日の割り当ては、発表者番号が奇数の人は1日目、偶数の人は2日目となっていましたが、希望すれば両日参加可能でした。
発表 1日目
私は2日目の割り当てでしたので、1日目の参加は当日の雰囲気を見て決めようと思い、会場へ向かいました。
すると、番号に関係なく1日目から多くの方が参加されていました。中には、早速ポスターの前に立って熱心に説明している方もいて、とても盛り上がっていました。
なので、こりゃあいいと、その空気に飛び込んで私も1日目から発表しようと決心しました。
しかし、ここでちょっとしたハプニングが起こります。
なんと、身長の低い私は、1人でポスターを貼ることができなかったのです。
ポスターというのは意外と大きいのですね。 CSS 2025では、A0サイズ(横841mm 縦1189mm)までのポスターを貼ることができ、私はA0サイズを持っていきました。そして、いざ、ポスターを貼ろうとすると、用意されたボードの1番上に手が届きません。私は身長が155cmほどで、背伸びをしても手は届きませんでした。それどころか、貼ろうとしているポスターがこちらに折れてきて、ポスターが自分に被さってしまい、身動きが取れなくなりました。(以下のイラストは、そのときの様子を描いたものです)

見かねた先輩方がポスターを貼るのを手伝って下さいました。本当にありがとうございます。ポスターを貼ろうと1人でぴょんぴょんする自分に悲しくなっていたので、本当に助かりました。
今後ポスター発表を予定されている方は、ポスターを貼る時には、是非手伝ってくれる人と一緒に行きましょう。例え身長が高い方でも、ポスターが斜めっていないかなどを見てくれる人はいた方が良いので、誰か連れて行くことをおすすめします。
このようなハプニングを乗り越え、やっと発表することができました。
発表は次のような流れで行いました。
- ポスターの前で立ち止まってくださった方に「よろしければ、私の研究を聞いていきませんか」と声をかける
- PCのデモ画面を見せつつ、研究内容を説明
- 最後に、質問やフィードバックをいただく
私の研究はまだ検討が必要な部分があったため、その点について客観的な視点からご意見をいただけたことは、大変ありがたい経験となりました。(以下の写真は、発表時の様子です)

1日目セッション終了後
1日目のセッションが全て終わりホテルに戻ってからは、翌日の発表に向けてデモンストレーションの改良を行いました。
このデモンストレーションセッションの醍醐味は、ポスターと口頭説明だけでなく、PCやタブレットを使って研究の補足や実演を行える点にあります。
私は自作のWebサイトを用意しており、研究の中核である「チェックデジット(※)」の仕組みや、本研究の意義をより分かりやすく伝えるためのシミュレーション画面を表示できるように準備しました。
※チェックデジット:クレジットカード番号やマイナンバーの個人番号などに付加されている数字。入力ミスの検出に役立つ仕組みのこと。
しかし、1日目の発表を通して、当初作っていたWebサイトの表示が小さすぎて見にくいのではないかという反省点に気づきました。遠くからポスターを眺めている方にも見えるよう、表示内容を最大限に拡大し、視認性を高める修正を行いました。
発表 2日目
2日目も1日目と同様に発表を行いました。
この日は、自分の発表スタイルについてある反省点に気づきました。それは、「一人一人と長く話しすぎてしまった」ことです。
せっかく興味を持って足を止めてくださった方には、丁寧にとことん説明しようと心がけていましたが、その結果、私が特定の方と話し込んでいる間、他の方が立ち止まりにくい雰囲気を作ってしまいました。後から聞いた話では、「また後で来よう」と思ってくださった方もいらっしゃったようですが、何度戻ってきても私が話し中だったため、結局お話しできないまま終わってしまったそうです。
CSSのように参加者が多い学会では、「一対一」の対話だけでなく、「一対多数」で一度に多くの方へ研究を紹介する工夫が必要でした。一人の方と向き合ってポスター前を塞ぐのではなく、ポスターを背にして聴衆全体へ開かれた立ち方をするなど、より多くの方に聞いていただける姿勢を取るべきだったと痛感しています。次にこのような機会に恵まれたら、この点を改善したいと思います。
余談
ここで、ポスター発表には直接関係ないですが、今後学会に参加される方(特に、女性の方)に向けて、私のとある失敗談とその対処法を紹介します。
CSSは「私服OK」の学会でした。そのため、多くの参加者の方が、自分の発表時はスーツ、聴講のみの時は私服と使い分けていました。
しかしここに、「学会期間中は常にスーツ」だと思い込んでいた女性がいます。
私です。
そんな私が持参した靴はパンプスだけ。そう、ヒールのある靴しか持っていかなかったのです。
これがまー大変で。
何せ、CSS 2025の会場は広く、とにかく歩きます。会場となる部屋がいくつもあるので、聴講したい場所へ行ったり来たり…… 。時には、人が多くて座れず、後ろで立ちながら聴講した時もありました。そして何より、ポスター発表はずっと立ちっぱなしです。そのため、足には常に疲労が蓄積されるわけです。
聴講中や発表中は必死なので、アドレナリンが出ていて痛みを感じなかったのですが、ホテルに帰って一息つくと、足がずっしりと重くなります。特に1日目は痛すぎて、「明日ポスター発表できるのか……」と不安になるほどでした。
しかしです!
学会にヒールしか持っていかなかったそこのあなた!大丈夫です!
マッサージすればなんとかなります。
毎晩、足首を回したり、痛い部分周辺のマッサージをしましょう。そして、ゆっくり寝れば、痛みは治ります。案外なんとかなるものです。頑張りましょう。
あと、余裕がある方はヨガもおすすめです。私は軽いストレッチと、ヨガの「エーカパーダカポターサナ(鳩のポーズ)」というポーズを毎晩とっていました。以下のイラストはこのポーズの様子を描いたものです。

両手を頭の後ろで組んで、目線は上げてください。つま先を上げている足とは逆の方を向くとなお良いです。イラストの様子を例に挙げると、この絵では右足を上げているので、左斜め上を眺めると効果的です。こうすることで上体が捻られるので、ストレッチ効果が増します。
このポーズをとると、全身の緊張がほぐれる他、体重のかかっていたつま先を上に上げることで、蓄積された疲労がとれ(るような気がし)ます。
万が一、ヒールの靴しかない状況になった方は参考にしてみて下さい。
(「歩きやすい靴を現地で買えばいいのでは?」と3日目くらいに気づきましたが、5日間のうち半分大丈夫だったのだから、もう半分もいけるだろうといって、靴を買わない私は本当に阿呆です。)
これを読んでいる皆さんは、事前にどんな服装なのか先輩に聞いておきましょう。
終わりに
初めての学会参加となったCSS 2025でしたが、本当に貴重な経験をたくさんさせていただきました。ポスター発表での議論や、普段聞けない多くの研究発表の聴講を通し、自分の知見を大きく広げることができました。
このような貴重な機会を得られたのは、CSS 2025を運営してくださった皆様、そして手厚くサポートしてくださった上原先生と研究室の方々のおかげです。心より感謝申し上げます。
この経験を活かし、今後の研究活動もより一層頑張りたいと思います。ありがとうございました。
