ar5iv と ImTranslator で英語論文を読みやすく
こんにちは.あらい大先生です.
秋学期の2週目に入りました.
そろそろ B3 ゼミが始まる頃でしょうか(立命館大学では,3回生の秋学期から卒業研究を行います).
卒業研究の最初の段階は,論文を読めるようになることでしょう.
特に,英語論文に慣れることは,良い研究を行ううえで非常に重要です.
そこで,今回のブログでは,英語論文を読みやすくするためのツールを紹介します.
このブログで紹介するツールは以下のとおりです.
arXiv
arxiv は物理学,数学,計算機科学,定量生物学,金融工学,統計学,電気工学・システム科学,経済学の分野におけるプレプリント(査読前の論文)を公開しています.
ただし,あくまでプレプリントなので,信頼性を保証することはできません.
そのため,arxiv で気になった論文のタイトルで検索してみて,有名な学会で発表されているか否かを確認しておくと良いでしょう.
ar5iv
PDF で公開されている arxiv の論文を HTML5 へ変換する Web アプリです.
URL の arxiv を ar5iv へ変更するだけでサービスを利用することができます.
また,HTML であるため,後述する ImTranslator の Inline Translation を利用することができます.
ImTranslator
様々な機能がありますが,Inline Translation が特に便利です.
機械翻訳の技術は向上しているとはいえ完全ではないので,原文を確認したくなることがあります.
しかし,ブラウザによる翻訳では原文が残りませんし,いちいち翻訳サイトへコピペするのも手間が掛かります.
ImTranslator なら,「翻訳したい文を選択 → ショートカットキー」だけで Inline Translation を利用することができます.
ただ,数式を含む文の翻訳は苦手みたいです.
DeepL
Google や Microsoft の機械翻訳と同等以上の精度を達成したと言われています.
好みに応じて使い分けると良いでしょう.
Shaper
PDF から英文をコピーする際に生じる改行やハイフンを消去する Web アプリです.
また,DeepL で翻訳のボタンを押すと,整形後の英文を DeepL へペーストします.
arXiv Vanity
ar5iv と同様に,arXiv の論文を HTMLへ変換する Web アプリです.
ar5iv と比べると歴史は少し長いですが,ar5iv は arXivLabs との共同で開発されることが決定した [1] ため,今後は ar5iv のほうが主流になるかもしれません.
おわりに
今回は,英語論文を読みやすくすることに焦点を当てて便利ツールを紹介しました.
他にも便利なツールはあるので,Google 等で検索したり,先輩に聞いたりしてみましょう.
参考
- arXiv:arXiv articles as responsive web pages,arXiv.org blog(オンライン),入手先〈https://blog.arxiv.org/2022/02/21/arxiv-articles-as-responsive-web-pages/〉(参照 2022-10-01).